All I need is one sun

日常を日常らしくするためのライティング。

【お噺】今日はひとりにして欲しい。

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仕事でミスをした。

 

幸い会社に損害はなく、取引先との仲に溝が入るようなこともなかった。

 

今日は定時で上がれる、そう思って片付けを始めようとした時偶然、営業終わりの先輩に声をかけられたから気づけた。

 

「●●社からの案件どう?納期まであと3日だけど。」

 

全身の毛穴から汗が溢れ出るかのような勢いの焦燥感が身体中を支配した。

声を出そうにも口からはヒューヒュー空気の音しかしなかった。

 

完全に忘れてたのだ。

そういえば、このあいだの定例会で、納期が5日早まることになったと言われたのだった。会議用のノートにはメモしたが、デスクに置いてあるミニカレンダーにそれを記入しないまま、今日を迎えていた。

 

慌てて、スケジュールを組み直して、なんとか3日後までに納品できるようにまとめることができたが、定時から1時間経ってもデスクにべったり張り付いて、目を泳がせながら仕事している俺を周りはどんな目で見ていたのだろうか。

 

ひと段落ついて、既に8割以上の人間が後にしたオフィスを眺めながら、そんなことを考えた。

 

バカなやつ。

 

そう思われただろうか。

 

いや、でも仕事でコケた訳ではないし、現状スケジュール通りに軌道修正できている訳だからミスではないはずだ。

 

にも関わらず、あの時感じた羞恥心と孤独感はなんだったのだろう。

あの瞬間、どうか誰も俺のことを見ないでくれと叫びたくなったのは何故なのだろうか。

 

今日は定時に上がれるはずだった。

毎週欠かさず見ていた、お気に入りのバラエティ番組を家で見ながらコンビニで買った缶チューハイに、シェフ監修って小洒落たシールが貼ってある150円そこらのプリンを食後のデザートに頂こうとした呑気な自分

 

その自分が当たり前にくると思って

納期が早まったことも忘れて

のうのうとプリンを食おうと思ってた自分が

多分、むちゃくちゃダサいやつだなって思ったんだ

 

会社に損害を与えるほどのミスをしでかしたとかでもなく

人からバカなやつって思われたとかじゃなく、

自分が「バカなやつ」なんだと認識してしまったことが

 

何よりも

俺を

如何しようも無い気持ちにさせたんだ。

 

この恥ずかしい自分を慰めて欲しい。

バカだなっお前って背中を叩きながら、笑って欲しい

 

そしたらきっと俺も楽になれるんだ。

 

そのくせに、会社から帰路にたった今も、友人や会社の同期に連絡をとる訳でもなく、1人で静かにそっと歩いている。

 

わかってるんだ

 

今日は1人でいたいんだ。

 

今日はきっとそんな日だ。

 

大丈夫だよ、それくらいって誰かに言って欲しい

 

けど

 

それができないし、しないのは

 

その優しさが怖いから

 

今日だけは、1人でいたい。

 

明日には誰かと酒を交わしたっていい

 

だから今日だけは

 

 

 

今日だけは

 

 

 

 

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Groovy roomという韓国の音楽プロデューサーがいるのだけれど、

その方達を紹介する記事を書く機会をいただきました。

 

www.youtube.com

 

彼らの曲の中で

 

私のお気に入りは

 

「오늘은」っていう曲なんだけど、この曲のサウンドはもちろん良いんだけど

歌詞が何よりも好きで

 

今日は

この曲をテーマに「お噺」を書きました。

 

主人公は、どこかの会社の会社員。

職業とかは読む人によって想像してもらえたらと思います。